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-YOUTH OF TODAY –<br>徳島の17歳がメイクするビートと<br>U.S.のラップが共鳴する新しい世界<br>Vol.01<br>Tj.Rob

-YOUTH OF TODAY –
徳島の17歳がメイクするビートと
U.S.のラップが共鳴する新しい世界
Vol.01
Tj.Rob

レーベルを介さずとも個人で楽曲を発信できる今、常に若くてフレッシュな表現者が生まれていてワクワクする。でも、そこに先人たちの培ってきたカルチャー=歴史や、奥行きを感じられるモノって、意外とそう多くない。そんな中、地元である徳島県に住みながら弱冠17歳で世界のラッパーともリンクするTj.Robは、シカゴや往年のNYサウンドを彷彿とさせるビートからHIPHOPカルチャーへのリスペクトと愛が滲み出ていて、ぜひ読者の方々にもチェックしてもらいたいユースの一人。WD SoundsのLil MERCYさんも太鼓判を押すトラックメイカーが、HIPHOPのCLASSICを更新するのも時間の問題だ。

HIPHOPクラシックの良さと
リスペクト、新しさが音に宿る

本誌3月号の特集企画でカッコいいユースを色々とリサーチしている時、「Febb以降のヒップホップを担う最重要トラックメイカーです」というヤバいメッセージ付きでLil MERCYさんがレコメンドしていた、Tj.Rob。そんな言葉を聞けば気にならないワケがなく、早速Soundcloudでチェックしてみる。すると、トラップで今っぽいノリでありつつも、Dipset(※NYのHIPHOPユニット)のような攻撃的なサウンドやイナたい&メロウなビート。その音はただ新しいだけじゃなくて、往年のHIPHOP=クラシックを想像させる所がなんともカッコいい。さらに、アップされているビートをひと通りチェックしてみれば、Nipsey HustleやAZのREMIXをしていて、Tj.Robの”好物”がより理解できる。聞けばそれらのHIPHOPの入り口になったのは想像通りFebbで、幼少期に聴いていた音楽が今に繋がっているらしい。

「小さい頃はHIPHOPはあまり聴かず、親の影響でfunk,R&B,Punk,Rock,とかの方が聴いていた記憶があります。そのせいか、サンプリングして作っているHIPHOPにしっくりきたというか、なるほどな、みたいな感じでしたね」。

Tj.RobのビートにはHIPHOPなサウンドに加えて、豊かな音楽性が宿っている。それが幼少期から培われていたからこそ、17歳にして注目を集める音作りが出来るのだろう。そもそも、キャリアとしての始まりはDJで、純粋に“現場に出たい”という15歳の初期衝動から。それからラップ、トラックメイクという流れで今に至り、AKAIのMPC LIVEを使って製作の日々を送っている。そんな中、ひとつの転機になったのはMaverick MontanaというNYのラッパーがフューチャリングしている『Gun and Butter』なのではないだろうか?

「Gun and Butterが出来たきっかけは、ずっとビートだけを作ってて、ラッパーが歌ってる曲を作りたいなと思っていたんです。どうせだったら本場のアーティストと。それで、知り合いの家にビートを作りに行った時にMaverick Montanaを教えてもらって、その時ちょうどNYサウンドにハマっていたのでインスタでコンタクトを取って作ったっていう流れです」。これはSNSが当たり前に普及し、スマホひとつで誰とでも繋がることが出来る今だからこそ、”まず動いてみる”ことが大切なんだって事を気づかせてくれるエピソード。

  • スライド

    部屋に飾られた仲間との写真。

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    KEIさんからのメッセージや2pacなど、Tj.Robのルーツが伺える1枚。

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    ベッドの無作為に落書きされ、ステッカーが貼られている。

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    父親からもらったという、もう動かないNIXONの時計。

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    ビートを製作している時の様子。

フッドの徳島から放たれる
世界基準のサウンドを

また、土地で音楽の見方を変えるのは良いことではないけれど、正直耳にする機会が少ない地元徳島のHIPHOPのシーンについても聞いてみたい。

「徳島のシーンはプレイヤーの数も凄く少ないし、箱の数も全然無くて、正直シーンとしては劣っている所もあると思います。でも個性は強いと思うし、アパレルやデザイン、ずっとシーンにいて常に新しいことをしているDj、soundは凄いなと思います。今はT-Stoneっていうラッパーがダントツで徳島を代表するラッパーです。一緒に曲を作ったりバックDjとして一緒に回っている仲間です。あと徳島じゃないんですけど、香川のKUYA MIGUELっていうイケてるラッパーがいます。この2人は今作っているEPにも参加してもらっていますし、全国レベルだと思います」と、彼の周りには続々とヤバいプレイヤーが集まってきている模様。それは自ら現場に足を運んでいるからこそで、徳島のイベントに積極的にDJとして参加し、夜な夜なパーティに繰り出していた様子はInstagramからも確認できる。

そして「別に有名な人と遊びたいとも思わないですね、普通に地元の海で不味い肉焼いていたいです(笑)」というインタビュー時の言葉からは、決してフェイムに媚びることなく、あくまで仲間を中心とした自分のペースを大切にするマインドを感じる。最後に、いま製作中のEPでは、LAとシカゴと香川のラッパーを迎え、初めてのまとまった音源をリリースするというニュースが。Tj.Robの楽曲を聴いたことがない人は、今すぐにでも下記のリンクからチェックして欲しいし、気になる新作に期待しながら発表を待ちたい。

Tj.Robがプレイヤーとして参加してきたイベントのフライヤー。

  • Photograph_Yu Akuta

Tj.Rob

徳島県阿南市を拠点に活動する17歳のトラックメイカー。一緒に曲を作ってみたいアーティストは「日本人だったらSEEDAとA-THUG。海外だと今はMozzy、他にStupid young,MbnelやLAに居るAsiangangです」とのこと。LAやシカゴのラッパーとタッグを組んだEPを近日リリース予定。
@rob55_sou

Tj.Rob

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