
ARTFASHIONFEATUREMUSIC2020.08.15
ギャップであり写し鏡でもある
福岡産のグラフィティという選択
– YonYon –
ソウル生まれ東京育ちというルーツを持ち、DJやプロモーター、SSWに音楽プロデューサーなどマルチに活動するクリエイターのYonYonさん。あまり彼女のことを知らない人からしたら、可愛らしいファッションスタイルとは裏腹な、福岡のグラフィティライターZEROSY氏のTシャツを着ていることに驚く人もいるかも。だけど、ある種の”旅”をキーワードとリンクしたセレクトは、YonYonさんにとって紛れもなく自分自身のスタイルを投影した1枚だ。
福岡という新天地でゼロから
スタートする覚悟も込めて
「自分にとって意味のあるTシャツを選びたくて今回これを着てきたんですけど、まず拠点を最近福岡に移したんで、せっかくだから福岡にフォーカスしたTシャツが、心機一転で良いんじゃないかなって。このZEROSYさんは福岡のグラフィティライターで、M2Dっていうクルーの代表の方なんですけど、実際に私が知り合いなんです」。そう話してくれた STÜSSY x ZEROSYのTシャツは、仲の良いM2Dのメンバーからもらった大切なモノ。本人とは福岡に拠点を移動する1~2年前から交流があるらしく、YonYonさんのファーストタトゥーがZEROSYさんによるものだという事実は、知る人ぞ知るエピソード。
ZEROSYさんといえば、グラフティクルーMANAGE2DESTROYのフロントマンであり、SATO名義でも立体物などの作品を発表。中でもYonYonさんが着てきてくれたTシャツのバックボーンでもある、〈STÜSSY〉と〈adidas〉をスポンサーに世界34都市を周ったJETLAGという写真集=プロジェクトは、日・韓のみならずアジア、アメリカ、ヨーロッパの様々なエリアで活躍するYonYonさんのスタイルともリンクする部分が。「割と今まで拠点は東京にあったんですよ。だけど去年あたりは特に全国でDJするようになって、東京でDJするよりも地方にいるタイミングの方が多くて。東京のシーンもすごく楽しいし仲間もいるんですけど、東京は全部揃ってるじゃないですか?それが地方に行けば行くほど身に染みて感じるんですよ、“格差”みたいなものを。全部揃ってる所で戦うのも環境に恵まれていて良いかもしれないけど、なんかもっと面白い事をしたいなっていう意味で、別の地域と繋がっていくのは自分にとっても大事な気がして、刺激になると思ったんです。そもそも生まれは韓国で育ちは日本なので、その頃から拠点は無い気がします、私にとって」。
ある意味で自分自身の写鏡のような存在であるZEROSY氏のTシャツを選んだのにはいろいろな理由があると思うけれど、シンプルにリスペクトありき。「よく会っていろいろと話すんですけど、ZEROSYさんも根っからのアーティストなので、そういう生き方もあるんだなといつも新鮮に感じます。常に新しい事をやろうとしている人なんで、周りの人が追い付いてこれないんですよ、ZEROSYさんに。こういうのをアートでやったら面白いんじゃない?って感じで仲間内に話すんですけど、発想がフレッシュすぎて理解できない時もあります笑。でも常に時代の先を見ているのは凄いカッコイイと思うし、JETLAGプロジェクトもInstagramすらない時代に旅をしながらブログでリアルタイムに世界中のアートをレポートするというアイディアは流石ですよね。
- Photograph_Cho Ongo
YonYon
2012年にDJとしてキャリアを開始。Interfm897「Tokyo Scene」ではラジオパーソナリティーとして同年代のアーティストやユースカルチャーの情報を発信。不定期でアップされるsoundcloudのMIXも要チェック。
@yonyon.j

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