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それぞれのスタイルを120%映し出す<br>○ ○ ○の部屋が見たい !<br>ROOM 2<br>スニーカーマニアの部屋<br>HIROTO KONDO

スニーカー部屋はジョーダン 1のボックスがズラリ。

それぞれのスタイルを120%映し出す
○ ○ ○の部屋が見たい !
ROOM 2
スニーカーマニアの部屋
HIROTO KONDO

Ollie 2019年1月号 Vol.237より

 

 

100人いれば100通りの部屋があるけれど、プライベートな空間はなかなか見る機会が少ない分、より“○○○の部屋が見たい!”と思うのが人の性(さが)。ここではOllieが気になった4カテゴリーにスポットを当て、それぞれのスタイルを120%映し出した部屋を覗いてみたい。

スニーカーのための部屋選びと
オンとオフを分ける部屋作り

なにかひとつのジャンルにこだわる=マニアな人の部屋は、 その偏愛っぷりにすごくスタイルが表れるから気になる人も多いはず。 ここではストリートならではのスニーカー好きとして知られる、MFC STOREプロデューサー近藤さんのマニアな自宅へ。

ROOM DATA

1.居住エリア:中目黒
2.居住年数:3ヶ月
3.家賃:ー
4.広さ:40㎡くらい
5.住んでいる家&街を選んだ理由:元々池尻大橋に住んでいて、移動するのもなにかと便 利で、目黒川があったり徒歩圏内に色々あり住みやすい街だったのと、仕事場も近いの で今の場所にしました。家の決め手としては、趣味と過ごす空間をセパレートしたかったので、この間取りにしました。
6.駅から家までの距離:中目黒駅から徒歩10分くらい
7.部屋のお気に入りポイント:スニーカーが見えないところ(笑)!しっかりと趣味と生 活空間がセパレート出来たことが、お気に入りのポイントです。
8.部屋の改善したいところ:みんなと部屋でワイワイ出来るポイントを作りたいです。
9.次に住みたい街:カリフォルニア州かハワイ(結構本気です…笑)
10.カッコいい部屋に住んでいる友達:レッドスパイダーのジュニアさん→圧巻のスニー カー部屋。BB→インテリア小物が多くておしゃれな部屋です

生活を送る場所と
収納を完全に分ける

スニーカー好きとして知られる近藤さんの部屋へ行く前、“天井まで乱雑に積み上がったスニーカーの箱だらけなのかな”と思って玄関を開けて中へお邪魔すると、まずはリビングがあり、そこに置かれているものはソファベッドと対面式に置かれたチェアテーブル、あとはテレビのみ。非常に物が少ない!そして、リビング奥のソファベッド横にある扉を開くと、そこにはスニーカーボックスがギッシリ詰まったエレクター台が並ぶ、〝スニーカー貯蔵庫〞然とした、今回のメインとも言えるスペースになっていた。

近藤さんはファッション界きってのスニーカーヘッズとして有名で、特にナイキのエアジョーダン1(以下ジョーダン1)のコレクションは、左の写真を見てもらえばわかる通り、ハンパじゃない。ちなみに部屋の間取りは、リビングとスニーカー&ウエアを収納する2つのみ。あえてリビングにはスニーカーを置かず、ある意味“オン”と“オフ”を完全に区別した空間だ。

「リビングで仕事をすることも多いので、できるだけ物を置かないようにしているんです。というのも、スニーカーやフィギュアなど、自分が好きなものが目に入ってしまうと、どうしても気が散ってしまって(笑)。できるだけ作業しやすいように、スニーカーを置く部屋と、作業をする部屋で明確に空間を分けていますね」。この部屋に引っ越してきたのは約3ヶ月前で、それまではワンルームに住んでいたそう。当時は、寝る時も食事をする時もスニーカーが同じ空間にあったわけだが、「次に住む部屋は絶対に空間が別れている部屋にしよう」という考えに。

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わかる人にはわかる
こだわりのサイズ感

中目黒を選んだのは、自身がディレクションするMFC SOTREの近くだから。起きたらそのままMFC SOTREへ向かったり、スニーカーの買い付けや企画の兼ね合いで世界中を飛び回っているが、基本的な生活は中目黒で完結。というか、自宅とショップの徒歩数分圏内で、1日が終わることもよくあるらしい。

話を本題のスニーカー貯蔵庫に戻すと、壁に3つのエレクターが並べられており、そのサイズは、まさにスニーカーボックスを収納するのにピッタリ。このエレクターは奥行きが35cmのもので、通常よりスリムタイプなのがこだわり。「この家に引っ越すことを決めてから、前もってここに配置しようと思って、サイズを計測して用意していたものなんです」。

そして、気になるのがスニーカーの保管方法。スニーカーフリークには、それぞれ独特の保管方法があるという話をよく聞く。「そんなに変わったことをやっていなくて、ボックスがもともとないもので思い入れがあるものは、マーキープレイヤーの袋に入れたりもしているんですが、箱が付いているものはそのまま置いているだけですね。一応焼けてしまわないように、スニーカー部屋の電気を普段は消していますけど、(こだわりは)それだけなんです。それと、これは驚かれることが多くて純粋なコレクターと違う点だと思うんですけど、僕はけっこうボックスを捨ててしまうんですよ。ジョーダン1は箱入りの状態で置いているものも多いですけど、海外から届いたものだったりすると、すでに箱自体がボロボロだったりしますしね」。スニーカーをボックスと共に保管するのがマナー、という固定概念は実は日本独特のものらしい。海外のスニーカー市場では、箱にサインをしたりステッカーを貼ったりするのは日常茶飯事。

それにプラスして「僕はジョーダン1のスニーカーを、価値が出た後で売るためにコレクションしているのではなくて、いつか履くことを念頭に買っているんです。“持っているだけで満足”というわけではなく、誰も履いていないようなタイミングで履きたいなって気持ちもあったりするので。最近はすぐにスニーカーを下ろさずに、“履いている人が少なくなってきたな”というタイミングで、箱から出すことが多いですね」という近藤さんの考えが、保管方法にも繋がっている。

コレクションではなく
いつか履くための収納

ジョーダン1のボックスを数えてみると約60個もあるが、これは今後も増え続けていくことだろう……。下駄箱を覗いてみるとヴァンズやコルテッツ、もちろんジョーダン1も。よくスニーカーヘッズは、お気に入りのスニーカーを2足揃えるというが、そこについてはどう考えているのか。「僕の場合は履く用と保管用で2足、という感じですね。ジョーダン1に関しては、履き潰してしまったら買い直しが利かないことが多いじゃないですか?“もう次はないな”って思うと、下ろすのを躊躇してしまうことも多いんですよ。ただ、最近ではジョーダン1も人気が出過ぎて、1足しか買えないことが多いんですけどね」。

ちなみに近藤さんがジョーダン1を好きになったのは、CHAPTERで働き始めてから。「それまではバスケをやっていないから履いちゃダメだっていう、自分ルールみたいなものがあったんですが、ジョーダン1が自分と同じ1985年生まれだってことを知って親近感が湧いて。ジョーダンに関しては、フレッシュな方がカッコいいというだけで括れないと思うんです。オリジナルのカラーのものは、クタクタになるまで履いてもカッコいいと思っていて」。

スニーカーを愛し仕事に繋げている近藤さんにとって、言わばスニーカーは恩人のような存在だとも言う。最近ではスニーカーシーンの白熱ぶりは凄まじく、コラボものなどレアなスニーカーに行列を成すのが、ひとつの文化のようになっている。「希少価値があるものだけを求めるのもいいんですけど、それだけではない面白さがスニーカーにはあるし、思い入れを持って接すると、また奥が深く楽しめるものだと思うんですよね。なんで履いているのかをちゃんと答えられた方が、履いていて面白いじゃないですか?」。そんな自分だけのルールを持ったスニーカー愛が、近藤さんの部屋にも反映されている。

  • Photo _ Ryo Kuzuma
  • Design _ Akio Saito

HIROTO KONDO

CHAPTERディレクター、atmos企画の経験を経て独立し、今年の5月にMFC STOREをオープン。本当に好きなものだけを扱いつつ、同時にスニーカーの企画製作を行なっている。@hiroto_kondo

HIROTO KONDO

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