ollie

パンクとヒッピーをルーツに<br>タイダイで染め上げる自分の色<br>– YUKI –

パンクとヒッピーをルーツに
タイダイで染め上げる自分の色
– YUKI –

メゾンブランドからストリートまで幅広いシーンで目にし、ここ数年は改めて注目を集めているタイダイ染め。染め職人のYUKIは、自らのタイダイ染めブランドである〈D.Y.E〉を手掛ける一方で、RADIALLや中野のスケートショップFATBROSとも定期的にコラボアイテムを発表するなど、ストリートからのプロップスが高いアーティストの一人。そんな彼女がタイダイ染めを始めたキッカケは、大学在学中に留学したサンフランシスコでのある出会い。そんなルーツを紐解く中で垣間見た、タイダイ染めというスペシャルな技法でTシャツをメイクする、彼女ならではのスタイルを探ってみよう。

染めの作業は自宅のキッチンで行うことがほとんど。事務作業を行っているデスクには、ルーツでもあるGrateful Deadの本や染めに関する資料、アメリカ産の雑貨などが並び、彼女らしいカルチャーの空気を感じることができる。

オリジナリティを大切に
自分だけの染めを日々研究

2013年より全工程を自身で手掛けるタイダイ染めブランド〈D.Y.E〉をスタートし、Tシャツをはじめ、バッグやシュシュ、ビールジョッキまで彼女ならではの視点でありとあらゆるアイテムにタイダイ染めを施す、染め職人のYUKI。地元大阪の芸術大学ではテキスタイル・染織コースを専攻していたけど、最初はタイダイ染めに全く興味が無かったというのは意外だ。そこで気になる、彼女がタイダイ染めに興味を持ったキッカケの話から。「大学在学中にサンフランシスコに留学したんですけど、ヒッピー発祥の地だけあってGrateful Deadをはじめとするヒッピーカルチャーが根付いていて、そこでタイダイ染めに出会って衝撃を受けたんですよね」。

海外に足を運び異国の文化に触れることで、自分の価値観が変わるというのはよく耳にする話だけど、彼女もまたそのひとり。そこから独学でタイダイ染めに関する知識を深めていき、現在に至るまでコツコツと自分のペースで制作を続けている。そんな彼女はパンクロックに熱中した青春時代を過ごしていたそうで、現在においても大きな影響を残している。「パンクで有名なアナーキーシャツはブリーチすることで染めるんですけど、その要素をいまの技法に取り入れています。ヒッピーは主にレインボーとか派手なイメージなんですけど、私なりのオリジナリティも大切にしたいので、竹ぼうきでブリーチして色を抜いてみたり、スポンジで染めてみたり色々試していますね。絞り染めは、紐で縛って染めるというのがタイダイ染めの基本ですけど、そこに捉われずに自分なりの技法を日々研究して、プロダクトに落とし込むようにしています」。

彼女のルーツであり、また現在のスタイルを形成しているパンクとヒッピーというカルチャーには共通点がある。それは、権力に抗い既存のルールに従うことなく、自由を求めて新たな道を切り開くという“反骨精神”の存在だ。そこには“すべて自分たちで作り上げる”というDIYの精神性も含まれていて、D.Y.Eでもすべての工程を自身で手掛け、既存のマニュアルに捉われることなく、自分なりの新しい技法を追求することでオリジナリティを見出すという現在のスタイルに行き着いたのだろう。

いまこうしてYUKIがプロップスを得ているのは、タイダイ染めを通して彼女自身のありのままを自由に表現しているからではないだろうか?そんな彼女が大切にしている信念は、DIYの最大の魅力であり、D.Y.Eのプロダクトタグにも施されている、コトバ。「 “ONE OF A KIND=唯一無二”ですね。量産はするけど、私が作っているものは一点ものなんでよろしくってことです。同じところに染めのムラがなかったり、2つとして同じTシャツはないという点が大量生産にはない魅力です。一枚一枚気持ちを込めて染めているので、着ている人が楽しい気持ちになってくれたらすごく嬉しいですね」。

  • スライド

    染料液をTシャツに塗るために使用するドレッシングボトルや、染料とソーダ灰をお湯に溶かす際に使用するカップ類。色々な種類を使っていくうちに今のものに行き着いたのだそう。

  • スライド

    Tシャツのボディは染料の色がしっかりと表現できる白がおすすめ。絞り染めには欠かせない輪ゴムは多数にストック。

  • スライド

    染料はすぐに取り出せるようにラックの一番上に乗せて、上から見ても分かるように色名を明記して保管している。

  • スライド

    染料が手についてしまうと中々落ちないうえ、他の染料と混ざってしまうこともあるので、ゴム手袋を使って作業をよりスムーズに行っている。

– HOW to TIE DYE –

ここからは実際にタイダイ染めを用いてTシャツを制作する様子をお届けする。タイダイ染めには様々な技術を必要とするものがあるけど、今回はもっともスタンダードな技法で手掛けてもらった。

  • スライド

    1_Tシャツを水に浸して脱水機にかける。

  • スライド

    2_広い場所にTシャツを平面に置いて、絞っていく。絞り方によって様々な模様を表現することができる。

  • スライド

    3_絞ったTシャツを輪ゴムで縛る。

  • スライド

    4_染料と色の固着剤としての役割を果たすソーダ灰をカップに入れ、スプーンでかき混ぜながらお湯に溶かしていく。

  • スライド

    5_しっかりお湯に溶けたことが確認できたら、染料をドレッシングボトルに注ぐ。

  • スライド

    6_ワイヤーネットに先ほど絞ったTシャツを置き、ドレッシングボトルから染料液を塗っていく。

  • スライド

    7_タイダイで表現したい色の数だけ4~6のステップを繰り返し、Tシャツ地の白色が見えなくなるまで染料液を塗る。染料液の塗り方次第で、実際にTシャツが完成したときの模様の出方が変わってくる。

  • スライド

    8_30分ほど置いたら、輪ゴムを解いてTシャツを水洗いする。この時点でTシャツを広げると、タイダイの模様が見えてくるのでワクワクする瞬間だ。

  • スライド

    9_脱水機にかけて水分を落とす。

  • スライド

    10_脱水したTシャツをハンガーに掛けて干す。

  • スライド

    11_しっかり乾いたら完成!今回は明るいカラーを組み合わせることで、夏っぽい雰囲気に仕上げてくれた。

  • Photograph_Hideaki Nagata , Ryo Sato

YUKI

タイダイ染めブランドの<D.Y.E>を手掛ける染め職人。大阪の芸術大学在学中にサンフランシスコに染色留学し、その後東京を拠点にストリートブランドと共作を発表するなど、タイダイ染めという技法を用いて幅広く活動する。D.Y.Eの情報はSNSで発信されているのでチェックしてみて。
@yukidye

YUKI

RECOMMENDED FOR YOU

to top