
2025.10.2
吉岡賢人が立ち上げる新ブランドに見る
次のムーブメントの予感
Japanese Super Rat presents
〈Official Garbage〉
スケーターの枠を超えた唯一無二なスタイルで活躍を続ける吉岡賢人。 そんな彼が今、新たなアクションを起こそうとしている。 タッグを組むのは、掃除機番長なる謎の人物。 ファッション業界で活躍する彼とアクセサリーブランド〈Official Garbage〉を始動させるという。 そして、それはただのアクセサリーブランドではない。 次世代のスケーター達へのメッセージが詰め込まれた、ムーブメントの始まりだった。 吉岡賢人が生み出す新ブランドは、これまでの彼とはまた違った一面を見せてくれる。
“Official Garbage、ゴミを発売します”
ー久しぶり!しばらく会わない内に何やらまた新しい動きを始めるって聞いたんだけど。
吉岡賢人(以降、賢人):はい!近所に住んでいる仲間の掃除機番長と一緒に〈Official Garbage〉ってアクセサリーブランドを立ち上げます。
ー色々と気になるんだけどまずは掃除機番長さんはどんな方?
賢人:ファッション関係の仕事をしていて、自分と同じエリアに住んでいるんです。よく遊んでくれる仲間で、すごく仲良くさせてもらってます!
掃除機番長:こんにちは、掃除機番長です。ちなみにこの名前は、仲間内でふざけてゴミネームを付け合うっていう遊びから生まれたものです。オレが掃除機番長で賢人はゴミ箱大使って呼ばれています。
ーゴミネームいいですね。そもそもおふたりはどうやって知り合ったんですか?
掃除機番長:最初の出会いは撮影現場でした。賢人がモデルで来ていてそのときに初めて会ったんっです。その当時の賢人ってまだ18歳くらい。なんかこう、刃物のように鋭利な雰囲気のやつでさ。だからこんなふうに仲良くなるなるなんて思わなかったよね。
賢人:オレはその撮影のとき、衣装に着替えないといけないのにノーパンで行ったんですよ。さすがにノーパンはマズイって、掃除機番長がブリーフをくれたんです(笑)。
ーボクサーパンツとかじゃなくてブリーフなんだ(笑)。
賢人:しかも真っ白なやつ!おじいちゃんみたいなのをもらったんですよ。それが結構気に入って、撮影日以降もずっと履いてました。なんか、ちょっとエッチな気持ちになるよねブリーフは。だから最初の印象はブリーフをくれた人。


ーかなり印象的な出会いですね。
掃除機番長:そこから定期的に撮影で一緒になったり都内に遊びに行くことが多くなって。そしたらある日、共通の知人から「賢人がすごい掃除機番長のことかっこいいって尊敬してたよ」って聞いたんです。そういうことを言う人じゃないと思ってたから驚いたんですよ。それをキッカケに自分も彼に心を開くことができて。そこからすごい仲良くなっていきました。
ーなるほど。
掃除機番長:そうして彼の人間性とかスケートボードに対する向き合い方とかいろんなことを知っていくうちに、せっかくなら仲がいいんだし、遊びの中で何か生み出せるんじゃないかなって考えるようになって。
賢人:掃除機番長は仕事も家庭も遊びも全部カッコよくやるんですよ。そういう姿勢にリスペクトがあって。それで、去年くらいに掃除機番長からアクセサリーブランドをやらないかって話をもらったんです。
掃除機番長:元々知り合いから『ウチでシルバーアクセサリー作ってください』って話をもらっていて。せっかくなら個人でやるよりも賢人にディレクションしてもらって一緒に出来たら、遊びながら良いものを生み出せるんじゃないかって思って。
賢人:これまでのオレのブランドは全部自分主導でした。でも掃除機番長とだったら対等な立場で一つのものを作れるって感覚があったんです。
ー確かにknthwやappleは賢人主導だったけど、今回はこれまでとブランドの組み立て方も違うし、また違う動きを見せてくれるのかなって思いました。
掃除機番長:賢人ももう26歳。ずっとストリートに君臨し続けるのもカッコいいけど、それだけじゃなくて、EVISENが彼をスポンサードしているように、今度は賢人が誰かのスポンサーになっていくような未来を創造していけたら良いじゃんって。
賢人:オレは掃除機番長からめちゃ影響を受けていたから、そういう話を聞いてめちゃアツいなって思ったし、一緒にやろうって自然に思えたんです。
掃除機番長:賢人は本当に子供たちから愛されていて、キッズたちからの憧れを感じるんです。そんなキッズが高校生になったら、絶対に格好を真似しますよね?『初めて自分のお金で買ったのがOfficial Garbageでした』。みたいな初期衝動に駆られるブランドになることを目指していきたい。
ーその〈Official Garbage〉ってどんなブランドなんですか?
掃除機番長:直訳すると公式なゴミ。このブランドは街中に転がってるゴミを拾って売ってるようなイメージ。それって彼のスタイルともリンクしていて。賢人ってまるで街にころがり落ちてた存在みたいなところから、どんどん存在感を増して公式みたいになってきてる。だから、〈Official Garbage〉はそんな彼の世界観を証明する唯一無二なブランドにしたいと思っています。
賢人:Official Garbage、ゴミを発売します(笑)。
掃除機番長:そういう発想が賢人っぽいよね。そのリング何?って聞かれた時に、『これゴミなんだよ』って言えたらなんか面白いしカッコいいよねって。あと、もしお金がなくて買えない子がいたら、ホームセンターで似たよなパーツを買ってDIYで真似してくれてもいい。そういう自由な発想ってカッコいいと思うから。
賢人:掃除機番長のセンスはいやらしくないんですよ。普通なんだけど普通じゃない。カッコつけないかっこよさがあって渋いっていうか。その感覚が、アクセサリーを普段つけない人にもハマると思ってます。
ーひとりじゃ生まれなかった化学反応が起きてるんだね。
賢人:掃除機番長はオレが思うイメージを超えてくるんですよ。『それがあったか!』って感覚。それがめちゃ上手くて、信頼してるから一緒にやってて最高だなって感じてます。オレはスケボーで目指してるのは、まさにそういう発想の転換から生まれるものだったりするから。


“みんなが思いついた、その一つ先を目指したい”
ーノリで始めたブランドかと思ってましたけど、しっかりと狙いや想いが込められていたんですね。
賢人:そうですね。掃除機番長がいろいろ考えてくれていて、そこに自分のエッセンスを加えています。最近は47都道府県を回ってうまいスケーターを探したりしてるんですけど、全国のヤバいやつらにこのリングを渡して、一緒に遊んだり映像を撮れたら面白いなって思いました。
掃除機番長:サポートするって発想はスケーターらしいじゃないですか。それで、今の賢人に何か付けようって思ったときに空いてるのがアクセサリーしかなかったんだよね。そう思ったら、アクセサリーってスケーター全員に可能性があるじゃんって。あとスケボーの写真で手とかも結構写るから、そういう意味でもこのブランドはすごい可能性があるなって。
賢人:オレは普段アクセサリーはあんまりつけてこなかったけど、ベアリングの壊れたゴミを指につけてることもあったから、このブランドはその延長にある感じで自分も自然につけられるんです。
ーブランドの世界観と賢人のスタイルがリンクしてるんですね。
掃除機番長:まだこれからだけど、いずれはパーティーも開きたいんですよ。このリングつけてる人はタダで入れるとか。リングの裏にはOGの刻印があってそれが入場パスになる。まるで秘密結社みたいな。ちょっとミステリアスで神出鬼没。なんか外が騒がしいと思ったらこれOGのやつらか。みたいなのが理想。
ースケーターが仕掛けるブランドってどこか遊び心も宿っていていいですよね。
賢人:みんなが思いついた一つ先を目指したいですね。やっぱオレは遊びで結構ひらめいてる気がするから、やっぱスケボー以外の時間がすごい大事。
掃除機番長:スケボーにのめり込んだらトリックが上手くなる。けどやっぱりそれだけじゃスタイルにはならない。結局スケボー以外の時間で何をして、誰と会って、何に影響されてきたかっていう外の時間がスケーターとしての厚みにもなると思ってる。だからズレたやつと出会ったりいろんな価値観に触れて、賢人みたいにスタイルって磨かれていくんだよね。
賢人:遊びながら常に何がスケボーに反映できるのか探したり。いろんなモノや人との出会いが、自分の中で「これイケてるかも』って発想に繋がっていくんです。
掃除機番長:オレとの繋がりも賢人にとっての一つの武器になればいいなって思ってます。ひと回りくらい歳が離れてるし、業種も違う。だから賢人がもってない知識や視点を伝えられる。ここから生まれる化学反応が彼自身の強みになっていったら嬉しい。


ーすごい大事な部分ですね。では今後のこのブランドの動きやヴィジョンってありますか?
掃除機番長:とりあえず最初はリング10型とイヤカフ2型を発売します。
賢人:そのあとはイベントもやりたいので、そのときはぜひ遊びに来てください!
掃除機番長:オレ1人じゃムーブメントは起こせないけど、賢人はスケーターもそうじゃない人も含めていろんな繋がりがあるから、彼が中心になって〈Official Garbage〉を通じたチームみたいなものが出来ていくと思う。ほんと賢人は可能性を秘めてるから、うまく役割分担してやっていけたらいいですね。
―ブランドを作って終わりじゃなく、それが賢人の新しい武器になって次の世代にも広がっていっていく。新しいムーブメントを起こす可能性を大いに秘めてる気がします。
掃除機番長:アクセサリーを作るだけじゃなくて、〈Official Garbage〉が何人いるか分からない謎の組織になっていったら面白いですよね。映像撮れるやつ、全然違う業種の人たち。いろんな人が関わることで立体的な動きが生まれてくるはず。そういう仲間を探しながら、また新しい流れを作っていきたい。
賢人:そうっすね。まずはOGリングゲットしてもらって一緒に遊んで仲間になりましょう!
- Photograph_Ryusei Sabi
- Model_Takaog
- Text _Yuki Toya
Profile
〈Official Garbage〉
Instagram:@og.officialgarbage
Official Site:https://ogog.official.ec/items/all
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