2021.09.25
初期衝動も蘇る、はじまりの場所へ
for EEX.
vol.1
ルーツって何かというと、今まで遊んできた場所、そこで経験してきた良いことや悪いこと、当たり前に過ぎていった日常や景色のこと。その人だけのストーリーがその人のカラーになっていくから、ここでは13人のアーティストの方々のルーツが宿る、原点と今を繋ぐ場所での写真とコメントを届けたい。そんな写真たちが、逆にスタートを切ったばかりである<EEX.>の ルーツを宿す写真にゆくゆくはなればいいな、という想いも込めて。
SOFUTO(skater/beat maker/model)📍下北沢
“そんなに大好きでもないけど、面白いというか、落ち着く場所”
「中学まで小田急線沿いでよく遊んでました。そういえば初めて初恋の子とデートしたのが下北でしたね。めっちゃ可愛い子に片想いしてて、その時は古着屋行ったり中学生でピザ食い行ったりしてデートは楽しかったんですけど、結局告白したらフラれちゃいました。笑 あとは、高3の頃にナンパしてそのまま神社行って話したりして、そのあともう一回デートしてフラれるみたいな。基本フラれた話しかないっすね。笑 下北はそんなに大好きでもないけど、面白いというか、落ち着くというか。あとは、『Mother’s』っていうバーがあって、そこで両親が知り合ったみたいです。いま夫婦でバーをやるくらいお酒が好きで、小さい頃はバーで寝てたりした記憶があります。今まではただの親として見て育ったけど、親の店には面白い大人が来るし、みんなちゃんと服作ってたり、DJやってたりするので、やっぱりそういう人を惹きつける力があるんだなって思いますね。人と付き合うのがうまいというか、楽しむのがうまいなって思います」。
PROFILE モデル、スケートボード、トラックメイクなど、様々なことにチャレンジする21歳。最近は『Radio Garden』というアプリで海外のラジオを聴くのがお気に入りなんだとか。@komolebeat
A VIRGIN(musician)📍松陰神社/喫茶店
“全然ゆかりはないけれど、3月に越してきた心機一転の場所”
「あんまりルーツみたいな場所が思いつかなくて、色んな場所を転々としてきたので、どこにでも思い入れがあります。松陰神社は全然ゆかりはないんだけど、3月に越してきた心機一転の場所で、喫茶店は好きだからそれでいいかなって。初めての一人暮らしなんだけど、同じマンションの一部屋に友達が4人住んでてて、よく一緒に遊びますね。あ、強いていうなら地元は仙台で、コロナの前まで月に1回(1週間)くらい仙台帰ってたんですよ。で10代の頃からずっとバイトしてたスナックがあって、そこに行きたかったから帰ってましたね。そこが一番ルーツかも。前のバンドのポスターとかがトイレに貼ってあったりするんですよ。今も物販とか作るとお客さん達が買ってくれて、サラリーマン達がゴルフ行くのにA VIRGINのTシャツ着てるんですよ、みんな。仙台でLiveするときも最前列にスナックの人たちがいるみたいな。そういうのって嬉しいですよね、普段クラブとかに全然来ない人たちなんだけどね」。
PROFILE ステージの上でレオタード姿でギターを手にする姿が印象的で、圧倒的な個性を放つアーティストの一人。2020年9/5に1stアルバム『A VIRGIN』をリリース。@avirgin519
Jeter(Artist)📍幡ヶ谷
“親がHIPHOPが好きで、小さい頃からお母さんのiPodでCOMMONとか聴いていました”
「もともとNYにいて、そこから初めて日本に来たのが幡ヶ谷だったんですよ。で、どっちも都心部じゃないですか?都会のバイブスじゃないけど、そういうのがすごい好きで、『Around town』とかもそう言うバイブスで作ったので。お母さんがHIPHOPが好きで、小さい頃からお母さんのiPodでCOMMONとか聴いていました。今はアンチロックとかオルタナティブとかを聴いてますね。WATER DOGSに入ったのは、もともと仲の良いy ohtrixpointneverが初期メンバーで、そいつと一緒に作ってた曲をメンバーのPowerってやつに聞かせたっぽいんですよ。そしたらいきなり電話かかってきて、”頼むから入ってくれ”って言われて。笑 絶対売れるからって言ってくれたんで、入ったのがキッカケです。ちなみに、服を買うときは、原宿とか言っても多すぎてfuck downって感じなんで、幡ヶ谷のSUMMER BONUSっていう店がオススメです。」。
PROFILE 幡ヶ谷在住の21歳。まだ楽曲はあまりリリースされていないけど、これからLAのレーベルからアルバムをリリースする予定とのことなので、要チェック!@middlenamejeter
荘子it(Track Maker/Rapper)📍多摩川河川敷沿い
“『Dos City』のアガルタって曲のリリックに、中高時代の思い出が投影されてます”
「何回か引越ししているんですけど、家が多摩川の河川敷のすぐ近くっていうのはなぜか共通してて。子供の頃は河川敷で遊んでたり、野球部の時に練習してたのも河川敷でした。音楽は、中高時代にバンドでギターをやっていた影響で、ビートよりウワモノに耳がいきがちです。ジャズも好きで、特に昔のジャズとかってドラムのミックスが小さかったりするんですよ。だからDosMonosのトラックに関しても、HIPHOPにしては音数多すぎだろってところもあるんですけど、ボトムよりウワモノのうねりでグルーヴを作ってるところがある。地元の友達の話をすると、元yahyelのMONJOE(DATS)って奴が家の近くにいて、中高時代そいつの家に入り浸ってました。1stアルバム『Dos City』のアガルタって曲のリリックで”暇なときはいつもチャリひとつでもっ家に辿り着く”って言ってるのがまさにソレで。笑 この辺って一言で言うと”不毛の大地”みたいな感じなので、想像力の羽を伸ばさないとやっていけないみたいな。それが嫌ではないんですけど、家庭環境含め文化的に取り立てて何もないので、自分で面白いことをつくりたいっていう気持ちがあります」。
PROFILE 1993年生まれ。 2015年に中高時代の友人であるTaiTan、没とDos Monosを結成。2019年に『Dos City』を、2021年9/14に『Larderello』をリリース。@so_shi_it
- Photograph_Hidetoshi Narita
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