MUSIC2020.05.30
手に、耳にしたレコードの
ジャケットから広がる世界を
NO.02
ISSUGI
Ollie 2019年4月号 Vol.240より
音楽の聴き方は色々あって、今だったら月額¥○○○○で好きなだけダウンロードして聴くのがひとつのスタンダード。でも、デジタルじゃ感じられない音楽のフィールドがあって、そのひとつがレコードやCD、カセットなどのフォーマットにアーティストの想いを投影したアートワークの存在が挙げられる。“先人の知恵”じゃないけど、ソレを手にしたアーティストが刺激され、伝達するヴァイブスが新たなアートをジャケットへと誘うようだ。
目に入った時のインパクトと
紐解いていくメッセージ性を
ラッパーとして数多くの音源をCDやレコードのフィジカルで、Tシャツやフーディなども仲間たちとデザインしてリリースするなど“自分たちのことは自分たちでやる”ブレない姿勢を貫くISSUGIさん。そんなアナログ愛を人一倍感じさせるラッパーらしい、レコジャケへの考え方。
あの時のあのデザインを
ジャケットに忍ばせて
2016年の2月から、2年間に渡って続けられた『7INC TREE』プロジェクトでは、毎月さまざまなアーティストと一緒に1曲づつ楽曲を制作し、7インチEP/デジタル配信としてリリース&動画配信。ソロだけでなく、仙人掌とMr.PUGとのMONJUや1982年生まれのメンバーによる1982S、5lackとBUDAMUNKによるSICKTEAMにDOWN NORTH CAMP、そしてトラックメイカー16FLIPとしても、これまで多くの12インチをリリースしてきた。デジタル配信やサブスクが主流となる現代に、ここまでストイックにレコードでフィジカルリリースし続けれるラッパーは、世界で見ても数少ない。
そんな、デジタルだけではなくアナログな表現方法にこだわりを持つISSUGIさんが選んだ1枚は、1975年に発売されたKING TUBBYの『PRESENTS THE ROOTS OF DUB』。
「今回のお話を頂いた時に、家にあるレコードをバーって見て、目に止まったヤツを持ってきました。(ジャケ買いという言葉があるように)それこそジャケットなので、パッと見た印象が大事だと思うんですよ。これはインパクトがあって、バランスとかも含めてなんかいいなって。アナログな感じというか、手作業感を感じていいなって思いました。このレコードを作った時代には多分、イラレとかフォトショップとかないと思うので、どういう風に作られたのか考えさせられますね」。
自分の作品に関して、ジャケットから制作することが多いというISSUGIさんにとって、レコードジャケットのアートワークに大切なのは、目に入った瞬間どれだけの印象を与えるのか。今回持ってきてくれたJJJさんと2018年にリリースした作品『LINK UP 2 EXPERIMENT』も自分でジャケットを手がけ、そこには見た人を楽しませる仕掛けが隠されている。
「これは元々フリーでダウンロードできる作品だったんですけど、レコードで出す時にジャケットを変えたいなって思って、フリーの時と違うジャケットを作り直したんですよ。自分は昔からの同級生とジャケを作ることが多いんですけど、そいつとのある共通点があって。前(の作品)に使ったデザインの一部分を、他のジャケットに忍ばすというか。俺の中でそういうのはなぜか、全部音楽を作るのと繋がっているんですよ。ビートを作る時に前の作品で使ったスネアを入れたり、リリックでも前に使ったフレーズをあえて使ったり、それと同じ感覚なんです。この『LINK UP 2 EXPERIMENT』のジャケットにも前作とかで使っているデザインを忍ばせているんですけど、それを知っている人やそれに気が付いた人が、楽しんでくれればいいかなって思って作ってます」。
- Photo _ Ryoma Kawakami
- Design _ Takafumi Iwatsuka
ISSUGI
昨年の2月にClubasiaで開催された『THE STORY OF 7INC TREE -Tree & Chambrays- / ISSUGI』のリリースパーティのLIVE映像をVimeo ONDEMANDにて2/14にデジタルリリース。アナログだけじゃなく、デジタルでもISSUGIワールドを楽しんでほしい。@dogear_gram
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