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河原で読書をする<br>– Riverside Reading Club –

河原で読書をする
– Riverside Reading Club –

アウトドア特集内『Where is your HANGOUT?』の、ラストのテーマは読書。冬は部屋でぬくぬくしながらの読書もアリだし、ここ数年はニュースでも暖冬の文字を見ることが多く、突然暖かい日があったりするから、そんな日は河原なんかで本を読むのも贅沢なチルタイムのひとつ。ここでは、某雑誌やデジタルメディアでも度々目にする読書家集団のRiverside Reading Clubにインタビューを敢行。その名の通り”リバーサイド”での読書についてだったり、そもそも映画や音楽など様々な選択肢がある中で、本を読むことの意味や魅力について聞いてみよう。

取材中の二子玉川でのヒトコマ。「人に会うときには本を持っていくようにしていて。音楽とかだったらサブスクで聴けたりするけど、本だったらブツをあげないとダメかなと思うので」とikmさんが話すように、お互い良い本があれば貸すというよりそのままあげたり貰ったりしつつ、情報交換をしているのだそう。

好きなカルチャーの中の
ひとつとして”本”がある

東京を拠点に、HIPHOPやハードコアを中心とした音楽を発信するレーベルWDsoundsのLil Mercyさんや、ラジオや執筆の活動でも知られるikmさんを中心とするRiverside Reading Club(以下RRC)。ネットにもUPされている多くのインタビュー記事からは、本をヒップホップなどの音楽や、映画といったカルチャーと同じ目線で捉えるRRCらしいスタイルが窺え、カルチャーが好きな方なら気軽に読める内容になっているのでぜひチェックして欲しい。また、Instagramにてポストされる投稿も魅力のひとつで、本の中から抜粋されたパンチライン的な文章や、独自の視点で書かれた感想は、生活の中にちょっとした気づきを与えてくれる。「RRCの名前の由来は、俺が川沿いに住んでるだけですね(笑)名前つけたときもその時のノリで、最初のロゴも俺がデザインして、それでシャツとかも刷りはじめて、マーシーくんとかにあげてて。そしたら反応してくれる人が出てきてという流れです。こういう取材とかを受けるっていうのを前提として作ってないんで、特に強い意味合いがあるという訳ではないんです(ikm)」。でも川というのはikmさんの生活の一部にあるモノで(季節にもよるけれど)、写真の川沿いで読書をすることも多い。「休日は家から2,30分くらいかけて歩いてきて、ここで短編をひとつ読んで、その後どこかに出かけるっていうことも結構あります(ikm)」。

左_『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』 - スティーヴン・ウィット 訳 関 美和
右_『レイシズム』 - ルース・ベネディクト 訳 阿部 大樹

レイシズム&デジタル音源
カルチャーに通ずる2冊を

ここで”Ollie読者にオススメの一冊”というテーマで、ikmさんとLil Mercyさんにそれぞれピックしていただいたものをご紹介。まずは、ikmさんが”個人的な今年の推薦図書”として選び、最近ニュースやSNSなど様々な場所で目にするワードである人種差別について書かれた『レイシズム』だ。「レイシズムって、人種主義とか人種差別って訳していいと思うんですけど、この本は第二次世界大戦の時に書かれたもの。それが去年新訳で出て、しかも30歳くらいの若い人が訳してて読みやすいんですよね。いま新訳が出るのもすごい意味があるし、科学的に人種で優劣つけれるほどの差はないよって話をして、だからそれは馬鹿らしいことだよっていう内容なんです。著者は社会人類学者とかの女性の方で、講談社の学術文庫ってレーベルから出ていて、この人自体がレイシズムに反対という立場で書いてるんですよね。人種差別がダメだっていうのは当たり前なんだけど、どういうのが人種差別に当たるのかっていうのもしっかり書かれています。行為だけじゃなくて考え方も含め、これを読んでいれば”これあの本に買いてあったからダメなんだ”みたいなのが分かるんですよ(ikm)」。話の中でもある通り、自分の行為含め考え方についても考えさせられる内容だから、「正直、人種差別についてよく分からない…」なんてユースにぜひお勧めしたい。

次にLil Mercyさんに選んでいただいたのが『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』という一冊で、ここで描かれているのは、サブスクやSOUNDCLOUD以前のインターネット音楽事情の話。当時は”ナップスター”をはじめとするファイル共有サイトがネット上に存在し、そこにアップロードされているMP3の音源が、音楽を聴くためのひとつの手段。ただ、そこにはCD発売前にリークされた音源があったりして、言ってしまえば違法サイトに近い。「これはどういう風にMP3が生まれていったとか、CD工場からCDを盗んだりするリークの話とか、いわゆる音楽の体系じゃない歴史みたいな話ですね。その代表格であるナップスターとかって、どこか音楽に対する恨みみたいなものを感じるんですよ。何万枚も売れてるんだから、盗んでもいいだろみたいな。そんな屈折した恨み節みたいなのが何かを生み出してしまうみたいなのは、やっぱ自分の中でも嫌いじゃないんですよ。自分の中でも色々と思ってしまうことはあるし、今やってることとかもそれで生まれたりしてるから。あとは、切り口的にデジタルミュージックというか、サンプリングとかそういった部分も言及されたりしてて。誰よりも音楽ファイルを持ってるやつがかっこいいとか、誰よりも聞いてるのがかっこいいとか、そうゆう考え方から生まれてますからね。今の感覚とは少しずれてるかもしれないけど、当時はそうゆう感覚で聞いてる人たち、俺の周りにもすげーいたし(Lil Mercy)」。

お二人が普段本を入れているケースをご紹介。神出鬼没の書店SPONGE BOOK STOREや阿佐谷の古本屋コンコ堂xRRCのトートバッグ、〈FEEVERBUG〉のバッグなど様々。

本の中にパンチラインが
一つでも見つかればOK

Youtubeや映画&音楽のサブスクがたくさんあって、わざわざ本というフォーマットを手に取らない人も多いはず。それに本ってどこか固いイメージがあったりするけれど、RRCからみて本はどんな存在なのだろう?「音楽とか映画はプレーヤー(スマホなど)がないとダメだけど、本はそれ自体で完結できますからね。それに、結構本ってジャンルというジャンルがそこまで明確に無いし、本屋に行けば大体のものが揃ってるんですよね。外にいる時は気分変えたいときにはブックオフに行けばいいし、離島とかを除けば、日本に古本屋とか特に新刊の本屋がない地域も基本的には無いから、そこが良いところなのかなって(Lil Mercy)」。「本でできることって、映画でも音楽でもちゃんと聞くなり観るなりすればできることなんで、そこまで本に強いこだわりがあるかって言ったらそこまでないです。ただ、本は字でそれが書いてあるから分かりやすいんですよね。あと、俺結構本読んでて、すげえいいパンチラインとか、何かに活かせる豆知識があれば、それだけでその本OKだと思ってるんですよ。それこそ短編集とかだったらほんとに好きな短編集をそこだけ何回も読んで、他のところは一回しか読まないみたいな。音楽のアルバムも好きな曲を何回も聞くのと同じで。本もちゃんと読まない部分もあっていいというか。短編集だったら好きな短編集を繰り返し読んでたら、それも読書としてOKだなって(ikm)」。

ikm
Riverside Reading Club主宰者。オフィシャルのアカウントや個人のアカウントでもさまざまな本を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
@ikm

Lil Mercy
WDsoundsを運営しつつ、J.COLUMBUSとしてラッパーや、PAYBACK BOYSのヴォーカルとしても活動している。febbの楽曲『THE TEST』のインストをジャックした『Rainy Day』のMVも最高です。
@j.columbuswcb

当日の取材場所である二子玉川の風景。対岸から見たこの景色が、Riverside Reading Clubのデザインの元ネタになっているのは、知る人ぞ知るエピソード。

Riverside Reading Club

@riversidereadingclub

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