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フッドからフッドへバトンを繋ぎ<br>熱量=LIVEをネットでリスナーの元へ<br>VirtuaRAW

フッドからフッドへバトンを繋ぎ
熱量=LIVEをネットでリスナーの元へ
VirtuaRAW

スピーカーが軋むほどの爆音、ステージとフロアの一体感、思いがけない出会いも大切な現場(イベント)は、いつだって最高だ。だけど今、クラブやライブハウスで音を浴びるにはもう少し時間がかかる。そんな中、それぞれのフッドのLIVE=熱量をリスナーに届けてくれたのが、沖縄の赤土クルーによって開催されたオンラインフェス『VirtuaRAW』。リアルな場ではないネット上で、ローカルxプレイヤーxリスナーが一つのモノを作り上げる、イベントの新しいカタチ。

存続の危機に直面している
全国のクラブを巻き込んだ配信型フェス

沖縄から北海道まで全16ヶ所の会場(主にクラブ)が参加した、オンラインフェスVirtuaRAW。参加したアーティストは、沖縄のCHOUJIやOZworld a.k.a. R’kuma、名古屋のCAMPANELLA、藤沢のDLiP RECORDS、相模原のOMSB&Hi’ Spec、山梨のstillichimiyaなど、総勢50組以上の豪華すぎるラインナップ。せっかくのG.Wも遊びに行けなかったから、イベントならではの空気感含め、それぞれのスマホやPCで楽しんだ人も多いはず。日程はリアルなフェスのように5/3-5/5の3日間で開催され、40時間に渡ってバーチャルでLIVE映像+aが配信された。そんな新しい試みを実現させたのは、沖縄カルチャーの発信源のひとつであったクラブLOVE BALLや、セレクトショップの波の上MUSIC、NAMINOUE Festivalと、ひとつの枠にとらわれずに活動をしてきた、沖縄の赤土クルー。

「新型コロナウイルスの影響で、夏頃までに予定してたイベントやライブが全て白紙になったんです。そして何か新しい試みを模索する中で、どうせ何かやるならその場しのぎの配信とかじゃなくて、誰もやってない事に挑戦してみよう。ってなった感じです」

  • スライド

    イベント中のアーティスト&裏方の様子。感染には最大限配慮された上、最小限の人数で行われた。@京都OCTAVE

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    @山口 のむの

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    @岡山 三宅商店

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    @名古屋 TRANSIT

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    @石垣 GRANDSLAM

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    @町田 FLAVA

誰もがスマホ一台で配信が可能な今だからこそ、二代以上のカメラで会場の臨場感を伝えたり、テロップや演出などの細かいクオリティにこだわったイベント作りは赤土ならではのアウトプット。また、前売りチケットは¥567と安すぎるほどだけれど「無料配信が当たり前の世の中で、有料で配信するハードルを下げたかったんです」と教えてくれた。

ローカルの空気を肌で感じる
”旅”のような感覚も楽しい

実際に配信されている映像を観てみると、南国っぽい(?)ユルいクロストークや、山梨の田園風景のなかにポツンと佇む小屋でLIVEが行われていたのが印象的。そんなローカルのバイブスを肌で感じられる経験は、ちょっと大げさかもしれないけど”旅”で味わう感覚と似ている気がする。これはひとつの会場ではなく、全国各地のフッドから配信できるオンラインならではの楽しみ方だ。しかも、それを自分の部屋で観ることができるから、音楽好きなヘッズはもちろん、普段は近くにクラブがなくて遊びに行けないという人も楽しめたはず。

「一ヶ月弱の限られた制作期間の中で最低限のルールを決め、それ以外は各会場の演出や雰囲気に任せました。そして結果的にはみんなが努力して作り込んでくれたことにより、その土地や会場のバイブスが上手く伝わったかなと思います」。チケットの売上は参加した会場に分配され、オンラインでの”投げ銭”で出演者を応援することができるシステムも導入されていた。

今回のインタビューに受け答えして頂いた、赤土クルーの中心人物の一人TORUさん。(Ollie vol.236 P064より)v

イベントは大盛況の中幕を閉じたけれど、オンラインフェス=新しい試みは相当大変だった事が想像できる。「観客が画面の向こう側にいるので、反応が見えづらかったりタイムラグがあるのが生と違って難しかったですね。配信するのも初めてなので、機材のこともわからないことが多かったんですが、一番大事なのはスピードと企画だと思っていて。できる範囲のことを1回目でやってみて、それを2回目3回目で改善していけば良いと思っています」。観客の反応に関しては、投げ銭やtwitter等のSNSで随時確認していたとのことなので、次回はより一層見応えのある内容が期待できそうだ。

最後に、TORUさんからのメッセージを。「6月に入って徐々に落ち着いてきたとは言え、回復にはまだまだ時間が必要そうなエンタメ業界ですが、各お店やアーティストが今できる事を発信し、それをちゃんと受け取ってくれるお客さんやファン達と、以前より熱狂的な現場で会える日を楽しみにしてます。」

  • Photograph_Ryo Sato (main visual), Ryoma Kawakami

赤土

2009年に結成された、沖縄のHIPHOPクルー。イベントやフェスやショップなど幅広い活動で、6/7にはVirtuaRAW第二弾として『INNA DI YARD』というオンラインレゲエ祭が開催される。

@virtuaraw

 

INNA DI YARD Powered by VirtuaRAW Vol.2
開催日程:6月7日(日)11:00-24:00
チケット販売:前売券1000円(6/6 23:59販売終了) 当日券1500円
音楽やカルチャーを届ける新しい形のエンターテインメント オンラインフェス!
VirtuaRAW Vol.2はMeets “INNA DI YARD”。
全国7会場沖縄から北海道までクラブやライブハウス各会場、各出演者がレゲエの
分かであるMoney pull up (投げ銭)を醍醐味としたオンラインフェスです。
ヤバイ!と思った出演に投げ銭を投じて応援に参加しよう!
リンク:https://akazuchi.zaiko.io/_item/326338

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